2011年2月24日木曜日

ウォールストリート。

オリバーストーン監督の「ウォールストリート」を見てきました。

感想は・・・微妙。
物語は前作「ウォール街」からの完全な続編です。

主人公のゲッコーがインサイダー取引で8年の懲役を経て、出所した所から物語は始まります。
冒頭、受刑者の持ち物が返還されるシーンがあるのですが、その時に出て来た携帯電話が、非常に大きいものだった事が少し笑えました。
当時としては最新機種だったんでしょうね。

物語の中盤、ゲッコーが講演会を行うシーンで印象的なフレーズを喋っていたので、ご紹介します。

-「(聴衆の大学生に向けて)君達は「NINJA世代」だ。つまり、No Income,No Job,Assetsな世代だ。」-

収入無・職無・資産無な現在の若い世代を表した言葉ですね。
まったくその通りだと思います。
このフレーズを考え出した方は非常にセンスフルな人ですね。

さて、本作は前作と比べ、バイクレースのシーン等、無駄なシーンが多く目立ちました。
金融映画なら金融映画らしく、前作のようにスピード感あふれる株式市場を描いて欲しかったです。
また、ゲッコーが悪人でも善人でもない中途半端な立ち位置だったのが気になります。
悪人なら悪人らしく一貫性を持ったキャラクターが良かったです。

また、この映画はハッピーエンドで終わるのですが、そのまとめが酷い。
ゲッコーの娘は父に2度も裏切られたのにも関わらず、最後には結局許してしまいます。
舌の根も乾かぬうちに、贖罪をするゲッコーとそれを許す娘。
なんだかなー、と思う終わり方でした。

本作でオリバー監督が最も重視した(と思われる)のは、人と人とのネットワークの繋がりが以前よりも格段に強くなっている点だと思います。
携帯電話やインターネットが発達し、情報が瞬時に非常に幅広く広がるようになった世の中を利用して巨万の富を得る人間、死に追いやられる人間、復讐を果たす人間、様々な人間が登場しました。
「社会的に人を殺す」という事が、現代では非常に容易になっています。
便利さとは裏腹に、情報化時代にはそのような面もある事を再認識した映画でもありました。

ゲッコーが映画の中で繰り返し喋っていたセリフがあります。

-「時間は金よりも尊い。」-

1分1秒を争う相場の世界で生きてきた彼が。刑務所の中で8年暮らす。
彼にとってその8年は、無限とも言える時間ではなかったのかと思います。

最後に、この映画のキャッチコピーは「この2時間はあなたにとっての資産となる。」です。
単純な映画の面白さとしては凡作と言わざるを得ない映画ですが、得られたものは確かにありました。

0 件のコメント:

コメントを投稿